サッカーのVAR(ビデオアシスタントレフェリー)の対象となるプレーは?判定までの順序や仕組みについて解説!

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様々な国のリーグや大きな大会で導入されているサッカーのVAR。

サッカーの試合を見ていると「VAR (ヴィエーアール)」という言葉を耳にする事もあると思います。

VARとはざっくり言うとビデオ判定の事です。

このビデオ判定ですが、基準となるプレーや誰がビデオをどのように見て判断するのかなど、不明な点がありますよね。

そこで今回は、サッカーのVARについて色々調べてみました。

参考にしてみてくださいね。

VARとは

VARとはビデオ・アシスタント・レフェリー(Video Assistant Referee)の略称になります。

サッカーの試合は、基本的には主審1人、副審2人、第4審判1人の計4人で試合を動かします。
試合の規模によっては、上記4人+追加副審2人とリザーブ副審1人の3人が加わり、審判員の数は4人〜7人という事になります。

VARが導入される前はこの4〜7人の審判員で試合を動かしていましたが、サッカーの歴史上、審判の誤審による試合が数多くありました。

有名な誤審は、
1986年ワールドカップメキシコ大会のマラドーナ選手による「神の手」と言われるゴールや、
2010年ワールドカップ南アフリカ大会のランパード選手の幻のゴール。

その他にも数え切れない程の誤審が発生しています。

そこで、「機械や機材(ビデオ)を使用して主審の判定の手助け(アシスタント)をしましょう」という名目で導入されたのが「VAR」です。

ちなみに、VARは機材ではなく人です。
ビデオ・アシスタント・レフェリーなので、主審や副審と同様に審判員の位置付けになります。

ビデオ判定をする副審(審判)です。

サッカーのVARの対象となるプレー

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「誤審に対してビデオ判定をする」と言っても、怪しいと思われる全てのプレーに対してビデオ判定を行なっていたら、確認に時間が取られスピード感が求められるサッカーの良さが消えてしまいます。

では、VARはどのようなプレーをした時に適用されるのでしょうか。

VARが主審に援助するのは「はっきりとした、明白な間違い」または「見逃された重大な事象」の場合のみになります。

試合の流れを止めないように、以下の4つの項目に限定されています。

得点か得点でないか

・ボールがゴールラインを割って得点になったのか判定が難しい、微妙。
・得点の前にオフサイドやハンドリング、その他の反則があった場合。

ペナルティーキックかペナルティーキックでないか

・ペナルティエリア内で選手が倒される。もしくはシミュレーションなどの違反行為だった場合の見極め。
・ペナルティエリア内でのオフサイドやハンドリング、その他の反則の見逃し。

退場に値するプレー

2つ目の警告(イエローカード)ではなく、レッドカードが提示されるような悪質なプレーだったかどうか

レッドカードが提示されるプレーの基準についてはこちらをご覧ください

サッカーのレッドカードで退場となる基準は?出場停止になるのは何試合か解説

人の間違い

主審が反則行為を行ったチームの別の選手に対して警告や退場を命じてしまった場合。
ただし、得点やペナルティーキック、または退場に関わる事象の場合を除き、その反則行為そのものをレビューすることはできません。

VARの判定の順序

VARの対象となったプレーの検証はVOR(ビデオ・オペレーション・ルーム)内で即座に行われます。

1.対象となるシーンをVARが自動的にチェックする

2.試合を止める必要があるプレーの場合、主審はVARと連絡をしている間、耳に手を当てて「VARと交信中です。話し中です」という事を周囲にわかるようにする

3.主審がレビューをする必要がある場合は「TVシグナル」のジェスチャーをする
※主審が自分の判定に自信がある時やVARの判断が間違っていると確信できる場合は、映像を確認せず試合を続行する

4.主審がレビューを行う場合は以下の選択をする。
4-1.VARの助言により判定を変更する
4-2.主審がビデオ映像を確認し、改めて判定を行う(OFR:オン・フィールド・レビュー)

5.[4-2]の場合、再度「TVシグナル」のジェスチャーをしてレフェリー・レビュー・エリアに向かう。

6.その後、主審が最終的な判定をする
TVシグナルのジェスチャー

VARからの連絡で判定を見直す事になったとしても、最終的なジャッジは主審がする事になっています。
あくまでもVARは「アシスタント・レフェリー」ですので、最終決定はできません。

VARシステムの仕組み

主審とVARは試合の判定を行う際に、どうやって連絡を取り合っているのでしょうか。
主審とVARの連携に関して、競技規則2019/20に記載がありました。

VARは、ビデオオペレーションルーム(VOR)でアシスタントVAR(AVAR)およびリプレーオペレーター(RO)の援助を受けながら試合を監視する。
・カメラアングルの数(およびその他の考慮すべき点)に応じて、2人以上のAVARまたはROを置くことができる。
・試合中、承認を受けた者のみがビデオオペレーションルームへ入室、またVAR、AVAR、ROと会話することが認められる。
・VARはテレビ放送映像に自主的にアクセスでき、リプレーをコントロールできる。
・VARはフィールドにいる審判員が用いている通信システムに入り、審判員の会話をすべて聞くことができる。(主審がVOR内の会話に気がとられないようにするため)VARはボタンを押したときのみ主審と会話できる。
 ・VAR が「チェック」や「レビュー」で手がふさがっていて、特に試合を停止しなければならない場合、またはプレーを再開させないようにしなければならない場合、 AVARは主審と会話できる。
・主審がリプレー映像を確認すると判断した場合、VARは最適なアングルとリプレースピードを選ぶが、主審は他のアングルやスピードの映像を要求することもできる。

https://www.jfa.jp/documents/pdf/soccer/lawsofthegame_201920.pdf
147ページ

VARは試合のビデオオペレーションルームに居て、アシスタントの援助を受けながら試合を監視しているんですね。
また、試合中のリプレーをコントロールしたり、審判員の会話を全て聞くことができるようです。

海外のサッカー中継を見ていると、リプレー動画が同じシーンを何回もループしたり色々な角度から見られる時がありますが、あればVARの人が操作していたんですね!

怪しいシーンは何回も流したり色々な人に見せることで、判定に納得してもらうという意味もあるのかもしれません。

VARはJリーグでいつから導入されるの?

VARは既にヨーロッパの様々な国やリーグで導入されていますが、日本のJリーグはいつから導入されるのでしょうか。

Jリーグは24日、2019シーズンの一部試合においてビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)を導入することを発表した。
JリーグはVAR導入に至った経緯について以下のようにコメントを発表している。
「Jリーグは、国際サッカー評議会(IFAB)が定める手続きに則り、VAR導入に向けた取組みを2018シーズンを通して行ってまいりました。
この度、VAR導入に向け、審判員の教育が順調に進んでいること、および、VAR介入の対象となる事象が起こる可能性がより高いトップレベルの試合に導入を行うことで、VARの効果をより正確に検証のうえで 今後の導入の方向性を議論するための材料とするため、導入を決定いたしました」

VARはルヴァンカップ・プライムステージの全13試合とJ1参入プレーオフ決定戦の1試合で導入される予定だ。また、導入条件が「担当審判員のトレーニング、開催スタジアムでの事前テスト、FIFA(国際サッカー連盟)立合いの検査等の各種要件を充足したうえで、FIFAおよびIFABからの事前認可取得が必要となる」と規定されていることから、2月16日に埼玉スタジアム2002で行われるU-18明治安田生命Jリーグ選抜と日本高校サッカー選抜による親善試合「NEXT GENERATION MATCH」でVARを導入することが決まっている。なお、同日に同会場で行われる「FUJI XEROX SUPER CUP 2019」でVARは導入されない。

https://www.soccer-king.jp/news/japan/jl/20190124/897256.html

記事によると、Jリーグでは2019年のルヴァン杯プライムステージとJ1参入プレーオフ決定戦でのVARの導入が発表されています。

また、J1リーグは2020年シーズンからVARを導入するようですね!
2020シーズンのビデオアシスタントレフェリー導入試合について【Jリーグ】

2020シーズンのJリーグVAR導入試合全321試合
明治安田生命J1リーグ全306試合
スーパーカップ1試合
リーグカップ ノックアウトステージ全13試合
J1参入プレーオフ 決定戦1試合

まとめ

誤審が多くなってきているサッカー界に新たなシステム「VAR」が導入されました。

今まで判定に泣かされてきたチームや選手、サポーターの方々もこれで今までよりは納得のいく判定が増えるのではないでしょうか。

ですが、VARに頼り切るのではなく審判の方々も個々の技術の向上に努めて欲しいですね。

最終的なジャッジは人間がするものですので。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

サッカーのルール一覧についてはこちらの記事をご覧ください。

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サッカールール
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